ただ「美しい」「かっこいい」だけでは、人の心は動かない。
デザインには、理由が必要です。
なぜこの色なのか?
なぜこのフォントなのか?
なぜこの構図なのか?
その「なぜ」を語ることができて、はじめてデザインに価値が生まれます。
私たちデザイナーには、その意図や背景を言葉にする責任があります。
「美しさ」や「センス」は人によって感じ方が異なる、曖昧なもの。
だからこそ、デザインのコンセプトを伝えることで、
初めてそのデザインに意味や命が吹き込まれるのです。
たとえば、ただ美しい花を見て涙を流す人は少ないかもしれません。
でもその花がどんな想いで贈られたのかを知ったとき、
そしてその花を贈った人の気持ちに触れたとき、
人は心から感動するのです。
花は、そのきっかけにすぎません。
本当に人の心を動かすのは、
その裏側にある「想い」や「願い」や「物語」なのです。
つまり、デザインやブランディングには「ストーリーが必要」。
私の長いデザイナー人生の中で、何度かデザインに感動して涙を流してくださったお客様がいます。
先日も、新しく医院を開院された方とお祝いの席をご一緒した際、
「あなたのデザインを見たとき、今の自分に問われているような気がして、初心に戻れました。やる気に満ちて、患者様にとって良い医院にしたいと心から思えた」
そう言って、目に涙を溜めてくださいました。
この瞬間こそ、デザイナーとして最も報われる瞬間。
表面的な装飾ではなく、その人の根底に触れるようなデザインができたことは、何にも代えがたい喜びです。
私はこれからも、そうした“心を動かす”デザインを、生涯に一つでも多く届けたい。
それが、私の仕事の原動力であり、目標です。

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