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【JRO様主催、在仏日本大使館、JETRO Paris後援】COVID-19対策セミナーチラシデザイン

先日、COVID-19 対策セミナーがパリで開催され、そのチラシを作成させていただきました。
こちらのセミナーは、JROさん主催、日本大使館・JETRO Paris後援でCOVID-19後のレストランの将来、衛生対策と顧客を引き付けるプロモーションという内容でした。※JRO:日本食レストラン海外普及推進機構
COVID-19の時期ですので、セミナー会場は30名限定で、Zoomでも参加できるハイブリッド形式でした。

 

プログラム概要は、
・Covid-19とフランスの食品市場
・日本食レストランにおけるCovid-19に対応した衛生管理
・レストラン店舗におけるCovid-19対策の実施状況と課題

パリでもCovid-19の影響を受けて、レストラン業界も大打撃です。

 

しかも今回の2度目の外出制限が緩和された今もレストランは未だに、店内で食す事ができない状態で大変厳しいです。

 

JROさんは、日本食レストラン海外普及推進機構で、日本食の魅力を世界に発信すべく世界中で様々な活動をされており、今回はその一貫としてのセミナー開催でした。

 

実際、ここフランス、パリでも日本食や日本食材は大変人気があり、有名レストランのシェフも意欲的に日本食材や調味料などを使用して、素晴らしい料理を生み出しています。

 

私も日本人として、このセミナーのデザインのご依頼をいただきとても光栄でした。

チラシビジュアルイメージについて

今回は、Covid-19対策セミナーであるという事と、レストラン関係者を対象にしたものでしたので、真っ先に考えたのはウィルスのイメージをどうしよう?でした。

 

Covid-19対策セミナーなので、ビジュアルイメージとしてはそれを分かるものでなくてはいけませんが、大きなダメージを受けているフランスのレストラン業界の方々はウィルスなどは見たくもないだろう。と思いました。

 

実際にフランスでも政府が作成するCovid-19関係の広告物は、分かりやすく、とてもタッチがシンプルで軽くスッキリとした印象です。これは見る人の意識を考えたものだと思います。

よく生生しいウィルスの写真などを見かけますが、そんな見たくもないようなビジュアルをメインにして人が集まるわけがない。

 

あえてインパクトを求めて使用する場合もあると思いますが、私はそもそもデザイナーを志したきっかけが、例えば地下鉄などの乗り換えの時など、誰かがほんとうにふとした瞬間にたまたま目に入って、あ、いいな。」と思ってもらえたらなんだかすごく幸せなことなんじゃないか?という単純な動機だったので、私のデザイナー人生でインパクトに残るけど不快なものを作成した事はありません。

 

 

そこで、セミナー内容にもあるウィルス対策のクリーンなイメージをメインビジュアルにし、ウィルスはそのメインビジュアルの一部として取り入れる事にしました。

 

背景の幾何学模様は透明感のある美しさがある宝石のように作成する事で、清潔感とクリーンなイメージにし、その下の部分にその宝石の光のようにウィルスを配置し、さらにそのウィルスに線を入れる事で破壊されるウィルスを表現しました。

 

この背景の幾何学は、下には破壊されつつあるウィルスを配置し、やや濃い紫で今の混沌とした状態であっても、右上に向かうごとに明るくする事により、これから先の未来は明るく美しい。という願いのような思いもデザインに込めました。

 

チラシを見た時に、未来やクリーンさ、美しい印象を受ける事を最も大切にしました。

 

実際に、この場を撮影したカメラマンさんと話をした際に、

「清美さん、あと数年後には、こんな時代もあったよ、そんな時にこんなセミナーを開催したんだよ。というのは時代に残る事だと思う。」と言うのを聞いて、それはまさにチラシのデザインコンセプトだなと感じ、私はデザイン、彼はカメラマンという役割での参加でしたが、同じ縁の下の役割の彼も、あぁ同じ気持ちだったんだなと嬉しく思いました。

 

 

日本語の素晴らしさを再実感。

今回、日本語とフランス語の両方のチラシを作成させていただいて感じたのは、日本語の深さ。

 

 

日本語を用いたデザインは、
①・圧倒的にデザインしやすい!
②・文字量が少ない!
③・使える表現方法が豊富!

結果として、メリハリが付けやすいので、見やすいデザインになります。

 

日本でデザインをし始めた20代前半の頃、「英語などのアルファベットって、何をどうやってもなんだかおしゃれな感じがして楽そう。」などと思っていた過去の自分の浅はかさがイタイ。

いやいや、それはデザイン力の問題だよと言いたい。

 

実際に、デザインは上手なほどまとまりが良いので見る人は簡単に作成したように見えます。

 

まとまりのないデザインは、見えにくいので複雑に見えます。

 

デザイナーは情報を理解し、それを分かりやすく伝えるのが仕事なので、上手なデザイナーほど見やすいものを作成できます。

 

情報で見えにくいと、本当に伝えたいメッセージ性が伝えにくいのです。

なので、見えやすい上に、さらにビジュアルコンセプトやイベントのメッセージ性を伝える必要があります。

 

なので、デザインは深くて面白いです。

Kiyomi TANAKA


パリを拠点に活動するクリエーティブディレクター&デザイナー。

日本でデザイン制作会社に勤務後、独立し日本郵政公社、帝国ホテル、JAなど大手企業や有名ホテルなどのデザインを手がける、その後、渡仏、ブランディングデザイン事務所[Fleurirdesign]設立。

ブティックやサロン、クリニックやカフェなどの立ち上げからのブランディングトータルデザインの経験も多数あります。