12月3日、カステックス首相は記者会見を行い、新型コロナウイルス用ワクチンの接種等について以下のように発表しました。
いよいよワクチンについても具体的に述べています。
■ワクチンについて
●12月29日までに、欧州医薬品庁がファイザー社製とモデルナ社製の新型コロナウイルス用ワクチンの市販許可について決定する見込み。
その後、高等保健機構(HAS)による意見を踏まえ、フランスでのワクチン接種が可能となる。
●ワクチンの価格と提供時期は全てのEU加盟国で同一で、各国の人口に比例して配分(フランスは全体の15%)。
フランスは、念のための余剰分を含め、ワクチン2億回分(1人あたり2回接種するため、1億人分用)を確保する。
●ワクチンの接種は、高等保健機構(HAS)の勧告に沿って、以下の三段階で行われる。
(1)ステップ1(1月~2月頃):要介護高齢者施設(EHPAD)等の入居者や、その職員(65歳以上・併存疾患ありの高リスク者)(計約100万人)(ファイザー社製ワクチン)
(2)ステップ2(3月~春頃):その他の高齢者やその他の専門職(50歳以上・併存疾患ありの高リスク者)(計約1,400万人)(+モデルナ社・アストラゼネカ社等製ワクチン)
(3)ステップ3(春頃~):その他の者(+サノフィ社製ワクチン)
●ワクチン接種は安全性、透明性、近接性(かかりつけ医の役割等)を重視して行う。
●透明性確保の一環として、ワクチン戦略を国会に提出する。
●ワクチン接種の目的は、死亡率と重症患者の減少、医療システムの保護、保健衛生上の安全の確保。
●ワクチンの接種は、義務ではなく、無料で、高い安全性が保証される。
●フランスのワクチン確保の戦略は、欧州レベルでの連携による高い交渉力の確保。ワクチンの一部は仏国内で製造される。
●科学者、医療関係者、議員、市民等からなるワクチン戦略方針評議会を設置し、免疫学者のアラン・フィシェ(Alain Fischer)氏が議長を務める。同氏がワクチンキャンペーンを取り仕切る。
●ワクチンは義務ではないが、積極的な接種を奨励。
●ワクチンの接種は数か月に渡って行われる。ワクチンは新型コロナウイルスの終焉を意味するものではなく、引き続き警戒を維持する必要あり。「検査、アラート、保護」の戦略は引き続き重要。
●ワクチンが重症化を防ぐことはできるが、今のところ他者への感染を防ぐことはできないため、引き続き予防措置(gestes barrieres)の着実な実施が重要。
(在フランス日本国大使館「たびレジ」より抜粋)
みんなが待っていたワクチンではありますが、いざ実際に接種できるようになると、二の足を踏んでしまうようで、フランスの世論調査でも61%の人は受けたくないとの事らしいです。
上の赤丸「●」の部分にもあるように、義務ではありません。
マクロン大統領は、12月4日オンラインメディア「Brut.」の番組に出演し、「よく知られていないワクチンを義務化するのは逆効果。義務よりも透明性で納得してもらうことが大切だ。」と述べ、有効性に関する情報の公開などを通じて接種への理解を得ていきたい考えを示しました。
(NHK NEWS WEB記事より抜粋)
フランス政府は、国民性を考慮して発表するのが上手だなといつも思います。
もちろんいつもそうというわけではないですし、誰かにとって納得いくものであったとしても、誰かにとってはそうではないでしょうし。
しかし、今回の2度目の外出制限についても、まずは夜間からはじめ「感染者増えてきてるしな」というのを感じさせてからの外出制限や、夏のバカンス前のマクロン大統領の演説時に「これからバカンスが始まるが、ウィルスにバカンスはない!」と釘をさして見たり。
実際、私の周りの人に聞いたところ、受けたいという人はいませんでした。
うち2名は、既に感染して、大変苦しい思いをしています。
上の文の一文、
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●ワクチンが重症化を防ぐことはできるが、今のところ他者への感染を防ぐことはできないため、引き続き予防措置(gestes barrieres)の着実な実施が重要。
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を見て、ふと以前、友人の小児科医が言っていたことを思い出しました。
それは、コロナウィルスのワクチンについてではなく、日本脳炎のワクチンについてなのですが、
「ワクチンは100%安全というわけではないのだけど、では実際にかかった時の致死率と、ワクチン接種においてのリスクを比べ、どちらの確率がよりメリットが高いかを考えるのが良い。一度でも接種しておけば、日本脳炎にかかっても死亡するような事はないので、自分は接種する事を推奨する。」と言っていたのを思い出しました。
素朴な疑問なのですが、今回のコロナウィルス ワクチンの摂取時期の各ステップにおいてワクチンを制作する会社が異なるのが気になります。
ステップ1:(ファイザー社製ワクチン)
ステップ2:(+モデルナ社・アストラゼネカ社等製ワクチン)
ステップ3:(+サノフィ社製ワクチン)
パリの街では、レストランは持ち帰り以外は休業なので、カフェでは熊のぬいぐるみがお茶していました。
これはサンジェルマンデプレの有名なカフェ、Les Deux Magotsですが、通りに面した座席では熊さんで溢れていて微笑ましかったのですが、実際、熊を置けるほどの余裕なんてないのでしょうが、
そんな中でも、遊び心を忘れないところはやはり素敵だなと思いました。