フランスで印刷知識を持つデザイナーに依頼するメリット

辻法律事務所パリ

みなさん、こんにちは!


日本とフランスでブランディングデザインやグラフィックの仕事をしている私が、今回はクライアントが印刷知識を持つデザイナーに依頼するメリットについてお話ししたいと思います。

それでは、早速5つのメリットを見ていきましょう!

1:印刷物とデザインが作り出す世界観でハイクオリティなものができる

デザイナーが印刷技術や紙の特性を理解している事で、デザインの世界観にぴったりの印刷手法を提案する事ができます。通常印刷でも、紙をマットにするのかコートにするのかでも大きく印象は異なります。特殊印刷ならなおのこと、印刷知識を持つデザイナーは、幅広い組み合わせや可能性を提案できるので、よりハイクオリティで独自の世界観のある仕上がりにする事ができます。

フランスでも特殊印刷はありますが、印刷データの作り方が日本とは異なるので、日本のデータをそのままフランスの印刷屋に持って行っても印刷できない場合があります。

2:ご予算に応じたデザインや印刷方法をご提案できる

印刷知識を持つデザイナーは、予算内で最適な選択肢を提案し、プロジェクトの効率を向上させます。ご予算をはじめに聞いて、その範囲内で適切な印刷手法や材料をご提案できます。
フランスでは、窓口と印刷工場がかなり離れている場合もあります。実際に印刷をする人と打ち合わせできるのが望ましいのですが、そうでない場合、経験豊富なデザイナーが間に入る事により事故を未然に防ぎ、イメージに近い仕上がりにする事ができます。

3:紙と印刷手法の相性などの問題を早期発見し、印刷事故を防ぐ

デザインと印刷の両方の視点から問題を事前に発見し、早急に解決することが可能です。

具体的には、クライアントが望まれる特殊印刷とデザインの相性上、印刷で問題が起こりそうな場合は、事前にクライアントにその事を伝え、クライアントの求める世界観を守りながら、再現できる印刷手法をご提案できます。印刷知識を持つデザイナーは、印刷プロセスに関する豊富な経験から印刷事故を未然に防ぐ事が可能です。

印刷数が多ければ多いほど、損害も大きくなるので、経験から適切なアドバイスができるデザイナーに依頼する事は重要です。

フランスでは仕上がりが悪くなりそうなデータの場合でも、日本のように事前に印刷会社から電話がかかってきてそれを伝えてくれるような事はまずありません。

4:納期を守れる

正確な印刷知識を持つデザイナーは、制作の所要時間や納期を正確に見積もることができます。これにより、クライアントの希望の納期を厳守する事ができます。
カタログなどはデザインの最終OKをクライアントにいただいてから印刷データを作成するまでに時間を要します。印刷知識が豊富なデザイナーは、必要であれば色構成もご提案し、印刷前にクライアントが事前に仕上がりを確認できる工程を臨機応変に加える事もできます。

5:品質の保証とクライアント満足度の向上

印刷物の仕上がりの世界観はデザインと印刷技術の絶妙なバランスから生まれます。印刷知識を持つデザイナーは、デザインと印刷の両方の側面から品質を保証し、クライアントの満足度を高めます。

ことフランスにおいて印刷は思ったとおりに仕上がらない事が日本よりもはるかに多いです。
過去の経験上、サイズが発注サイズと異なる。納期が予定よりもかなりかかるなどという事が過去にありました。サイズが異なったものは、刷り直しをお願いしたのですが、今日明日使うとなれば、刷り直せば良いという問題ではない場合もあります。

「サイズ間違いのものは全部あげるから許して」とその時言われましたが、デザイナーが仕事として印刷まで請け負っている以上、こんな交渉に乗るようでは話になりません。

ちなみにフランスでは、バイク便などで納品してくれるところもありますが、その場合でもかなり余裕をもって手配することがトラブル回避のために重要だと思います。

もちろん、デザイナーに依頼した場合、デザイン料とは別に印刷手配料などがかかってきますので、その価値があるデザイナーを選ぶ事が重要です。


FleurirDesignは基本的に他社がデザインしたデータの印刷は承っていません。

それは、データの作り方に既に問題があった場合、それが原因で事故が起きてもそれは請け負ったデザイナーの責任になり兼ねないからです。

追加情報として、より詳しく、日本とフランスの印刷の違いなどについて書いた記事もリンクを貼っておきます。(下の画像をクリック)

FleurirDesignが主催しているParisDesignSalonでメンバーさん向けに書いた記事です。
「フランスの特殊印刷事情とグラフィックデザイナーなら知っておきたい製版の重要性」

FleurirDesignはブランディングデザインをご依頼いただいた場合、デザインするにあたってお客様の競合他社のデザインまで調査分析しデザインご提案をしています。
そのため、ブランディングデザインに関しては多くの案件を請ける事はしていません。

ご依頼いただいても、お待ちいただいたりお断りさせていただく場合もございます。予めご了承ください。

BLOG記事:Kiyomi TANAKA


パリを拠点に活動するクリエィティブディレクター&デザイナー。FleurirDesign代表

 

日本でデザイン制作会社に勤務後、独立し日本郵政公社、帝国ホテル、JAなど大手企業や有名ホテルなどのデザインを手がける、その後、渡仏、ブランディングデザイン事務所[Fleurirdesign]設立。

日仏のブティックやサロン、クリニックやカフェなどの立ち上げからのブランディングトータルデザインを手掛けています。